人呼んで「ロックンロールウルフ」
── ハラダさんは、学生時代バンドをやっておられたとか?
はい、それで当時「ロックンロールウルフ」とあだ名で呼ばれていたんです。でもわたしは楽器ができなかったので、ヴォーカルでした。
── その経験から、今回の『ルー=ガルー』とSCANDALのコラボというのはどう思われましたか?
最初、BGMの替わりにSCANDALさんの音楽を使うんだと聞いたんですけど、BGM自体が歌入りということはいつも歌詞が流れているということなので
「どうなるんだろう?」と思って脚本を書き始めたんです。
だから物語の前半、アクションじゃないシーンはすこし悩みましたね。
とはいっても、脚本の段階では、どこにどんな曲が入るのか決まっていなかったので、
「アクションシーンにはずっと音楽が流れているんだろうな〜」ぐらいの気持ちで書きました。
そういう意味ではSCANDALさんの歌にお任せする気満々でした。
わたしはもともとアクションシーンでものをしゃべらせるのが得意ではないんです。
でも今回は、BGMではなく物語の中で音楽が演じられているというところもあって、
SCANDALさんの音楽で女の子たちの気持ちとか、行動とかを後押ししてもらえたと思います。
アクションもまたコミュニケーション
── 藤咲監督からの指示でのご苦労は?
あまり無茶は言われた覚えはありません。むしろ、最初から「女の子向けの青春ムービーにしよう」と言われていたことが印象に残っています。
わたしも原作を読んで、女の子たちの人間関係のつながり方や行動だったりが面白かったんです。
ですから、そこに重点を置こうというお話しには共感が持てました。
── コミュニケーションというテーマについてはどう思われました?
わたしは機械越しでは人見知りしてしまうのでリアルコンタクトしたいタイプなんです。作中では映像でもコミュニケーションができますが、そういうのは改ざんできますよね。
そういう風に、機械越しの世界はすごく不確かなんだと。そう思って書いていたので、
「わたしはこういう世界は絶対に嫌だな」「だれも信用できなくなっちゃうな」という気がしていました。
── 食事のシーンなどはいかがでした?
『ルー=ガルー』世界での食事や、コミュニケーションはおもに後藤さんが担当されました。最初、プロット(構成案)の段階では後藤さんがA、Bパート担当だったんですが、
脚本を書く段階でわたしがA、Dパート担当に変わったんです。
ですので、Aパートではそのプロットで提案いただいたアイデアを使わせてもらっています。
一方、最初から私が担当していたDパートは、得意とするアクションが続くんです。
そこでは主人公たちのコミュニケーション方法が現代的なやり方になってくる。
たとえば実際に手を取り合ってみたり、助けたいと思って足を運んだりするわけです。
要するにリアルコンタクトをするしかなくなる。そこをしっかり見せるため、
それまで後藤さんが構築された『ルー=ガルー』的なコミュニケーションをあえて避け、
それこそ人を殴るとか、今風のアナログなコミュニケーションとしてのバトルにしようと意識しました。
食事もまたコミュニケーション
── もうひとつのテーマが食だと思いますが、その辺りは?
私は面倒くさがり屋なので、パクッと食べて栄養が豊富ならいいなと思ってましたけど、すごく怖い世界でもありますね。
ただ、一緒に食事を摂ったり、食べている姿を見られたりするのは、触れ合ったりするのと同じような気がするんです。
ただ、私たちは普通にやっているけど、彼女たちはそうしないのが当然だった。
だから、互いに視線を合わせたり、下の名前で呼んだりという、ひとつひとつのことをほかの作品以上に厳選しました。
たとえば、ここで初めて視線を絡ませるんだというところでは、ファーストキスのような感じで書いていましたね。
── 最後に、劇場版を見に来られるファンの方に一言。
主役の女の子たちの関係に重点を絞って、いい意味で京極さんの原作とは思えないくらいさわやかなシーンもありますし、まさに京極さんというシーンもあったり、でもすごく明解な解釈になっていたりします。
まだ製作中なので、わたしも完成版は見てはいないんですけど、私も劇場版を見るのも楽しみという感じです。
それと、見た人はビックリするシーンも用意されているようなので、ぜひ劇場に見に来てください。


